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2016年3月の3件の記事

2016年3月22日 (火)

【書評・ネタバレ】ハンガー・ゲーム

 政府に支配され搾取される十二の地区の一つに住む少女カットニスが主人公のSF作品。
 この世界では、支配の象徴として、十二の地区から選出された男女一名ずつの少年少女に最後の一名になるまで殺し合いを行わせるゲームが行われている。それが、ハンガー・ゲーム。
 今年、第十二地区の参加者に選ばれた妹の身代わりとなって、カットニスはハンガー・ゲームに参加するのであった。

 …というのが、ハンガー・ゲーム第一作の冒頭。
 ハンガー・ゲーム(1)~3の三作構成で、最後まで読了済みです。

 極度な管理社会、大きな格差、殺人ゲームが娯楽として放映されるというのが、リチャード・バックマン(スティーヴン・キング)の「バトルランナー」を連想した。
 読む前は、ハンガー・ゲームでの戦闘がメインだろうという印象を持っていましたが、実際は戦闘前後に多くのページが割かれています。ハンガー・ゲーム自体が、この作品の核であり、常にそれを中心に話は展開されるのですが、戦闘自体の描写は意外と少なめです。

 作品内の語り口は三人称ですが、描写は一人称範囲でカットニスの周りで起こったこととカットニスの内面しか描かれません。カットニスが見聞きできる埒外で発生した事柄は描かれないので、そのことも戦闘に関わる描写が少ない原因でしょう。カットニスには見えないところで、ハンガー・ゲームの参加者がどんどん脱落していきます。
 また、外から意味深な差し入れが行われたり、ルールが変更されたりと、闘技場外で何かが展開しているのですが、それもカットニスの推測の範囲でしか描かれず、確かなことが分かりません。
 記述は三人称なのに内容は一人称という表現方法は、他の作品でもあったように思うのですが、ここまでそれを意識させられたのは初めてです。作品世界が広がりそうで広がらない、ずっと一人の視野に縛られるというのが、違和感というか気持ち悪さというか、見通しが悪いという感覚を最初から最後まで感じ続けました。題材からすると純粋な三人称が当たり前だという勝手な思い込みがあり、それとのギャップが違和感になっているのかもしれません。

 ハンガー・ゲームは多人数参加なので、話を盛り上げるために参加者達の背景や内面を掘り下げたり、個々の戦闘場面が描かれそうなのですが、前述の表現方法もあり、主人公が関わり当人から知り得た内容以上には語られません。また、「最後にラスボスとの戦い」のような構図もありません。
 人間同士の戦闘よりも、戦闘のフィールドに設置された仕掛けと対峙するという場面が多くあります。この仕掛けに独特なモノが多いというのは、この作品の特徴の一つでしょう。
 一部残虐なシーンもありますが、戦闘に関しては全体的に淡白な印象となっており、熱い戦闘を期待すると肩透かしに感じそうです。
 基本的にカットニスの葛藤を軸に、ストーリーが進んでいきます。あと、恋愛要素も強めです。

 1~3と三作品に分かれていますが、何れも「ハンガー・ゲーム(※)前の準備」→「ハンガー・ゲーム(※)の戦闘」→「ハンガー・ゲーム(※)の結末・エピソード」と構成されています(※ 3ではハンガー・ゲームでなくキャピトル突入に置きかわりますが)。構成は似通っていますが、それぞれの戦いの意味や迎える結末は三作で異なりますので、読者が持つ感想は作品毎に変わると思います。

 繰り返しになりますが、過激な戦闘はあまり期待できません。また、海外SFに多い重厚な内容でもありません。登場する科学技術などにリアリティはなく、どちらかといえばなんでもありでファンタジーに近いです。
 でも、殺人ゲームを娯楽として楽しむような異常な社会の不気味さや理不尽さ、その中で生きようとし大切な人たちを守ろうとするカットニスの葛藤、ハンガー・ゲームに登場する奇妙で邪悪な仕掛け…と、物語として楽しめる箇所は多くあります。特に、カットニスが非常に魅力的な主人公として描かれていると思います。

 カットニスは最初に一つの花を守るため立ち上がり、過酷な運命に踏み込みます。必死にもがきなんとか生き延びたというのに、ある悪意によってその花は散ってしまいます。彼女は悪意の元に対し、その報いを与えます。
 一つの大切な花は失ってしまいますが、もう一つの花を取り戻してこの作品は幕を閉じます。

 カットニスにとっては必ずしもハッピーエンドとは言えず、明るくすっきり読了できる最後ではありませんが、興味があれば是非読んでみて下さい。

 ちなみに、映画化されているのを読了後に知りました。ハンガー・ゲーム3だけ2作に分かれており、映画は全4作構成です。2015年11月に完結編が公開されています。
 映画の公式サイトを見に行って紹介動画を見ましたが、映像として高いレベルで原作を再現しているようでびっくりしました。もちろん紹介用の短い動画なので、興味を惹く出来の良い部分をつないでるとは思うのですが、原作を読んで想像していた画が展開されているように見えました。すごく観たくなりました。


ハンガー・ゲーム(上) (文庫ダ・ヴィンチ)

ハンガー・ゲーム(下) (文庫ダ・ヴィンチ)

ハンガー・ゲーム2 上 (文庫ダ・ヴィンチ)

ハンガー・ゲーム2 下 (文庫ダ・ヴィンチ)

ハンガー・ゲーム3 上 (文庫ダ・ヴィンチ)

ハンガー・ゲーム3 下 (文庫ダ・ヴィンチ)

2016年3月 8日 (火)

Winmail.datが届いたときの対処法

●不明なファイルが添付されていた

 客先からWinmail.datというファイルが添付されたメールが届きました。本文の内容からすると、添付ファイルがあるはずなのですが、決してWinmail.datなどというファイル名ではないはずです。
 このWinmail.datをエディタで強引に開いてみると、どうやら本文の内容も含まれているように見えます。
 ネットで検索すると、送信者がOutlookを使用していて、メール形式をリッチ テキスト形式に設定しているときにWinmail.datというファイルが添付された状態になると書かれています。リッチテキスト形式時の情報をカプセル化したものが、本来の添付ファイルも含んでWinmail.datというファイルとして見えるようです。受信者もOutlookであれば発生しないようですが、会社では会社が決めた別のメールアプリを使用しています。

 恐らくリッチテキストとして修飾された情報は抜け落ちていると思いますが、メール本文は読めています。問題は添付ファイルが取り出せないことです。

  ネット上に解決策がいくつか紹介されています。


●Gmailへの転送

 その一つが、Winmail.datが添付されたメールをそのままGmailに転送するというもので、Gmail上からであれば普通に内容確認ができるようです。
 特に何かインストールする必要もありませんし、この方法が一番手間が少なそうに思えます。海外出張時に希に会社サーバーへ接続できないときの緊急用で使用しているGmailアカウントを持っていたので、早速転送してみることにしました。

 転送してから気付きました。私の環境でこの方法は使えないと。
 会社のメールシステムには、添付ファイルを自動でパスワード付きZipファイルに圧縮した状態に変換してからメールを送信し、パスワードは時間差で別メールを宛先に自動送信するという、全く何の意味があるか理解できないシステムが導入されています。このシステムは、パスワードが送られるまでの数分間、宛先を間違えたことに気付いてパスワード送信を止める猶予があるという素晴らしい働きがあって、誤送信の被害を減らすことが出来そうに見えるのですが、よっぽどのことがないと誤送信したことすら気付かず知らぬ間に誤送信先にもパスワードが届くことになります。「パスワード送信メールを開く」、「パスワードを記憶orコピーする」、「添付ファイル解凍する」という三手順ほどが受信者側の手間として増えるだけとしか思えず、こちらが送るとき大変申し訳なく思っています。
 社内で送り合うメールにも同じシステムが働くようにして、どれだけ受け手の負担が大きいか実感してみろと自社のシステム部門に文句を言ってやりたいところだが、これは今回の話からは脱線しているので、この話題はこの辺で止めておきます。

 つまりは、うちの会社からGmailに転送してもWinmail.datを圧縮したZipファイルが届くので、それを解凍してもWinmail.datがそのまま出てくるだけで、Winmail.datを見ながら途方に暮れるという状態は変わらないのです。単に、やはりうちの会社のメールシステムが、受信側に取って負担だということが再認識できただけでした。
 ということで、(私の環境では)大失敗。


●リッチテキスト形式の使用をやめてもらう

 で、二つ目の方法として挙げられていたのが、送信者にOutlookの設定をテキスト形式に変更してもらうようお願いするというものです。
 今後のこともあるし、他の被害者を減らすこともできるし、これが正解なのかもしれませんが、相手は一応お客様だし、そこそこ年配の方だし、もしかしたらリッチ テキストに並々ならぬこだわりを持っておられるのかもしれないし、万一家族を人質にとられて誰かにリッチ テキストの使用を強要されていて、テキスト形式に切り換えたら家族に危害が及ぶような事態に陥っておられたら申し訳ないし、とりあえず送信者にお願いするのは最後の手段としてとっておくことにしました。


●ツールを使用する

 三つ目の方法は、Winmail.datの内容を表示したり、添付ファイルを抽出してくれるアプリケーションを使用するというものです。
 そういったアプリケーションはいくつか公開されていますが、今回はWinmail Openerを使用させていただきました。
 ダウンロードしてインストール(http://www.eolsoft.com/download/)。
 問題のWinmail.datは予めメールからどこかに保存しておき、起動したWinmail Openerで開きます。
メール内容の表示は2ペインに分かれていて、左側の大きなエリアでメール本文、右側の縦に細長いエリアで添付ファイルが表示されます。
 これで、無事添付ファイルにアクセスすることができました。


 既にセットアップ済みなので、今後同じようなことがあればWinmail Openerを使用させてもらうと思いますが、うちの会社と同じようなメールシステムでなく、更にGmailなどのサービスへのアクセスが可能な環境であれば、Gmailに転送するという方法が良いのではないかと思います(使い勝手が試せていないので、少し無責任ですが)。



Letter Opener - Winmail.dat Viewer

2016年3月 6日 (日)

Kindleアプリで明るさを調整する方法と設定できないときの原因について

■Kindleアプリで明るさの調整

 動作する機種を持たないのでiOS版は分かりませんが、Android版Kindleアプリでは書籍を表示する明るさは独自に管理しています。そのため、Android(スマートフォンやタブレット)としてのディスプレイ設定で明るさを調整しても、書籍を開くとKindleアプリで設定されている明るさに切り替わってしまいます。
 書籍を開く前は、Kindleアプリ上でもAndroid側の明るさになるんですけど、書籍を開いたとたんに切り替わります。急に明るくなったりしますので、アプリに目潰し喰らわないよう気をつけて下さい。

 では、Kindleアプリでの画面の明るさ設定がどこにあるかというと、書籍を開くと選択できるようになるフォント設定の中にあります。

Kindle_1

 設定画面を開くアイコンがフォントをイメージさせるデザインなのでフォント設定と書きましたが、背景色設定なども含まれているので、「表示関連の設定」というのが正しいかもしれません。
 この設定は、書籍を開いて初めて選ぶことができるので、書籍別に設定できるようにも思えるのですが、アプリとして一意の設定で全ての書籍に反映されます。
 また、先程Androidのディスプレイ設定は無効になるように書きましたが、「システムの輝度を使用する」という選択があり、これをチェックするとAndroidのディスプレイの明るさ設定に準拠した明るさになります(自動調整も働きます)。


■明るさ設定が無い?

 さて、ボクはこの明るさ設定で落とし穴にハマりました。
 Kindleアプリである書籍を読んでいて、眩しいと感じたので表示の明るさを下げようとしたのですが、どうしても設定が見つかりません。
 散々悩んだ挙げ句に一度は諦めたのですが、何かの拍子に気付きました、今読んでいる書籍が一見するとテキストによる書籍に見えるのですが、実はイメージ書籍だったということに。確かに、見出しに派手な装飾が加えられていたり、まとめ的な文章のところが枠で囲まれていたりと、普通の本にしては本文部がかなり凝ったデザインになっています。
 その時、イメージ書籍では明るさの変更ができないという問題の存在に気づきました。

Kindle_2

 明るさやフォント、背景色の設定画面は、小説などのテキストベース(文字データ主体)の書籍でしか開けないのです。主にコミックや雑誌などのイメージベース(画像データで構成)の書籍では、設定画面を開くためのアイコンが表示されません。イメージ書籍ではフォントや背景色もイメージとして固定されているので、それらの設定に関しては行えないのも当然でしょう。でも、明るさは…
 たまたま、タブレットを新調したててで、Kindleの設定がまっさらだったことも落とし穴にハマった一因でした。一度でもテキスト書籍で設定を済ませていたらハマらなかったし、この問題の存在にも気付いていなかったでしょう。


■明るさ設定を行うことができない可能性

 もう説明の必要は無いと思いますが、コミックなどのイメージ書籍で明るさを変更したい時は、一旦テキスト書籍を開き直して、そちらで設定することになります。以降、イメージ書籍でも設定が反映されます。
 まあ、明るさなんて頻繁に設定変更することはないので、ボク個人としては大きな問題とは思っていません。

 でも、漫画しか購入しないようなユーザーは、明るさを変更できないことになるのですが、どうなんでしょう。
 そういう人は、Kindleアプリに明るさ設定が存在することをずっと知らないままなのでしょうか?

※他に設定方法があって、ボクが見つけられていないのだったらすみません。


Kindle for Android

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